「モグラの被害にはどんなものがあるの?」
「モグラ被害に遭っているのだけど、どう対策したら良いのかな?」
はじめまして。害獣駆除博士です。
モグラは畑や庭を荒らすため、早めに正しい対策をすることが重要です。
私の畑にもモグラ被害が出ているのですが、どんな対策がいいのか分からなくて…
モグラ退治には様々な方法があるので、効果的な対策法を見極めるのは難しいですよね。
でも安心してください!
今回はモグラの被害例を紹介し、適切な対策法を分かりやすく解説します!
モグラ退治の注意点もお伝えするので、ぜひ最後まで読んで正しい対策を行ってくださいね。
モグラの特徴や生態
モグラを退治するにあたって、念頭に置いておかなければならない事があります。
それは「モグラの習性をよく理解し、効果的な対策をとる」という事です。
穴が見つかったからトラップを仕掛けた。
見かけた場所に忌避剤を施行した。
間違ってはいませんが、モグラという生き物から被害を被らないようにするには不十分です。
モグラ対策をするなら、まずはモグラのことを充分に理解しなくてはいけません。
モグラから被害を受けないため被害を大きくしないために、しっかり勉強し効果的な対策を取りましょう。
モグラは一般的にも知られている通り、土の中に住んでいます。
日本には数種類のモグラが生息していると言われておりますが、その中でも代表的なモグラが「コウベモグラ」と「アズマモグラ」になります。
コウベモグラは西日本に広く生息しており、体長は12~18cmと日本最大級のモグラになります。
またアズマモグラは名前の通り東日本に生息するモグラで、体長は12~15cmとコウベモグラに比べ若干ではありますが小さなモグラになっています。
モグラの色は濃い茶褐色または黒褐色で、手足と鼻がピンク掛かっているのが特徴です。
土の中を掘り進むために前足が大きく発達しシャベルのような役割を果たしています。
また前足は外側を向き円形で5本の鋭い爪があり、地面を掘るのに適した形状をしています。
前足が外側に向いていることから、地上ではうまく体を支えられません。
モグラは地面から深さ30cm~1mほどの場所にトンネルを作って、基本的にその中で生活をしています。
土の中での生活のため視力が退化しており、目はかなり小型になっています。
明るさを感じられるほどの明度は分かりますが、人間のように視覚でものを判別する能力は備わっていません。
その代わりに細長く伸びた鼻の「アイマー器官」という感覚器官が発達しており、振動をキャッチします。
食事のために餌であるミミズやコガネムシの幼虫、カエルなどを探す際には、アイマー器官と嗅覚を使って探し出します。
それぞれが単独で生活し、個体ごとに縄張りを形成します。
モグラは食欲旺盛で、胃袋に12時間以上食べ物がないと餓死してしまうこともあるのです。
モグラの穴の特徴
モグラの掘った穴をご存知でしょうか?
庭に穴があるのは見たことあるけれど、一体何の穴なのか分からずとりあえず放置している。
一度は、そんな経験がある方もおられると思います。
モグラからの被害を防止するためにも、しっかりとモグラが掘り進んだ穴の特徴を押さえておきましょう。
モグラの掘る穴の特徴として、「モグラ塚」と呼ばれる土の溜まりが見られます。
なぜ穴の周りに土溜まりが発生するかを解説していきます。
モグラはシャベルのような前足で、地中を掘り進めていきます。
穴を掘っていくと掘った分だけ不要な土が発生し、放置すると穴を塞いでしまう可能性が発生します。
通常は不要な土を前足で押しながら横方向に掘り進めていますが、定期的に地表へ顔を出し不要な土を押し出しているのです。
その押し出された土が塚のように見えることから、「モグラ塚」と呼ばれています。
もう一つの特徴として、芝生の下をモグラが掘り進めることによる「盛り上がり」や「へこみ」が見られる事があります。
モグラが掘り進む深さは地面から30cm〜1mと浅いところのため、掘る際に土が押し上げられて「盛り上がり」が発生したり、穴が掘られ土の重さにより「へこみ」が発生したりするのです。
この特徴が確認された場合は、モグラの生息を疑い正しく対処する必要があるのです。
モグラ被害の例や画像、写真
庭に穴が空いて見た目が悪くなる被害
特に芝生で整備されている庭は注意が必要です。
モグラの穴の特徴でもお伝えした通り、地面から浅い場所を掘り進めるため綺麗に整えられた芝生に凹凸が発生し見た目が悪くなってしまいます。
また、掘り返されることで一部の地面だけ芝が無くなってしまい、再度植える事で手間や費用がかかってしまうこともあるのです。
畑の農作物や野菜、家庭菜園、田んぼへの被害
モグラの特徴として、肉食であることが挙げられます。
だからと言って、農作物などに被害が発生しないわけではありません。
モグラの掘り進める位置が地面から浅いことから、農作物の根を切られてしまい、苗などは倒されてしまうこともあります。
また田んぼに水をためていても、モグラの穴から田んぼの外へ流れ出てしまう被害も報告されています。
他にも田んぼと田んぼの間に土を盛り上げられて作られたしきりとして「あぜ」がありますが、掘り進められることによって「あぜ」が崩壊する可能性もあります。
さらに、地中に含まれている水分が穴を掘られることにより保持バランスが崩れ、農作物や植物に充分な水分や栄養が行き届かない可能性も挙げられます。
畑や田んぼで農作物を育てる大前提として、土壌が栄養豊かで栽培に適した状態を保持できなければいけません。
様々な肥料や薬剤が使用されますが、自然界でその役を担っているのがミミズです。
そのミミズをモグラは好んで食べるため、土壌の栄養バランスが崩れ農作物が育ちにくい環境が作られてしまうのです。
ミミズは土と有機物を食べながら、それを混合して排出します。
これにより、自然界にある栄養分や肥料を土と混合し均等に混ぜ合わせて栄養のバランスが取れた土壌が作られます。
またミミズは土の科学的性質を改善する力を持っており、生ゴミを土壌中に埋めてもミミズが分解し植物が利用しやすい成分に変えていきます。
ミミズが有機物を分解した糞と肥料を比較したところ、ミミズの糞の方が植物育成に適した土である事が分かっています。
穴につまずいて転倒してしまう被害
家庭でのけがで一番多いと報告されている原因は転倒です。
転倒と言っても症状の軽いものから、大腿骨を骨折するなどの大怪我に発展する可能性もあります。
特に転倒は足元に意識が向いていないときや、障害物等に気づかないことで発生する事が多くなっています。
庭にモグラの穴が発生した場合にも、気づかず転倒してしまう可能性があるため注意が必要です。
家や住宅が傾く被害の心配はいらない
モグラの被害として田んぼのあぜが崩壊したり、庭が凸凹になったりすることが挙げられました。
敷地内でモグラが発生した場合に不安になりがちな事例として「モグラの穴により家屋が傾いてしまうのではないか」といった事が挙げられます。
結論から申しますと、家屋の傾きの心配は必要ありません。
家を建築する前に基礎をしっかりと作りコンクリートと混ぜているため、モグラによる傾きの被害の可能性は極めて低いと言えるでしょう。
モグラ自身が掘り進められる範囲として1日に100mもいかないため、家や住宅への被害が遭ったとしてもごく僅かであると言えます。
モグラ被害の時期は1年を通して続く
モグラは1年中活動しており、モグラ被害は1年を通して続いてしまいます。
またモグラは冬になると通常より地面から深い位置を掘り進めます。
これは、巣穴凍結を防止し地中深くに潜ったミミズを捕食するためです。
そのため、モグラを捕獲する際は穴の深さが浅い春先〜秋口が最適とされています。
モグラの被害対策方法
モグラの被害対策として一番取り組まねばならないのが、敷地内にモグラを侵入させない事です。
一度侵入され庭中を穴だらけにされてしまうと、一から土壌を整備し直し芝を植える費用が発生することになってしまいます。
モグラを侵入させないためには物理的に侵入出来ないように、金網を張り巡らせる方法があります。
また、モグラが嫌がる臭いを含んだ忌避剤を施行することで、更なる侵入防止対策として効力を発揮します。
畑や花壇、家庭菜園などの侵入を防止する範囲が限定されているのであれば、該当箇所を金網で囲うことで侵入される恐れがなくなります。
金網の施行につきましては、網目のサイズが1cmほどの金網を地中1mほど埋めてください。
この時の注意点として、下部10cm程度は外側に向けて地面と平行になるように直角に曲げてください。
また網の上部は地中から20cm程出すように心がけてください。
害獣忌避対策の中には、振動や音など撃退機器による威嚇があります。
ただし振動の大きさや音量を上げて威嚇しても、モグラが慣れてしまい効果が薄れてしまう可能性があります。
どの対策の効果があるのか、効果は続いているのか、しっかりと見極めて実行していきましょう。
また注意点として無闇に捕獲したり殺処分したりしないようにしてください。
モグラの中には絶滅危惧種・純絶滅危惧種に指定されているものもおり、許可なく捕獲または殺処分してしまうと罰金を課せられる可能性があります。
発見した場合はモグラへの直接的な対処は控え、各自治体に相談してみましょう。
モグラ退治に関して詳しい方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。