「ハーブを植えるとイノシシって近寄らなくなるの?」
「ハーブってたくさん種類があるけど、どのハーブがイノシシに効くの?」
「ハーブにイノシシ対策効果があるなら、ハーブを使ったおすすめ対策グッズも知りたい!」
はじめまして。害獣駆除博士です。
イノシシ対策には様々な方法がありますが、その中でもハーブでの対策は近年注目されています。
私もイノシシ被害に悩まされているのですが、ハーブに効果があるなら導入しようかと思っています。
今回は、ハーブがイノシシ対策に有効な理由や効果のあるハーブなどを分かりやすく解説します!
イノシシ対策にハーブを使う注意点やハーブを使った撃退グッズも紹介するので、最後まで読んで正しいイノシシ対策を行なってくださいね。
イノシシ対策にハーブは効果ある?
ハーブは料理の香り付けや薬、香料、防虫に利用されるなど幅広い用途があります。
また葉っぱは緑で扱いやすいものが多く家庭で栽培できるので、主婦層には特に親しまれている植物です。
このように身近なハーブが果たしてイノシシ対策に役立つのでしょうか。
結論から言えば、イノシシ対策にハーブの効果はあります。
効果的なイノシシ駆除のためにイノシシの行動を観察し、その特性や弱点を利用する方法が試みられています。
観察の結果、イノシシ被害の原因となるもののひとつとして農家の方の高齢化による耕作放棄地の拡大ということが分かってきました。
誰も来なくなった畑はイノシシが隠れるのにちょうどの草が伸び、危険もないことからイノシシが民家周辺まで接近するきっかけをつくるものになっています。
この問題を解決する方法として、イノシシの「優れた嗅覚」を利用する試みが進められているのです。
ニオイに敏感なイノシシは刺激の強い臭いを好みません。
逆に土の中に餌となるミミズがいればその嗅覚で探し当てることができます。
そこで考えたのが、掘り起こしてほしくないところにはニオイの強いハーブを植え、逆に掘って欲しい場所には植えない、という作戦。
イノシシの掘り起こし被害には困りますが、逆に掘り起こしてほしいところをあえて残しておくんですね。
放置してある耕作地は徐々に固くなって荒れるばかりなので、イノシシの力を借りて土をふかふかに保つことができたら一石二鳥です。
ハーブは国内でも需要のある農作物のひとつなので、高齢化で手がかけられなくなった農地に手間のかからないハーブを植えていくのも将来性の見込める対策ですよね。
イノシシ対策と聞くとネガティブなイメージですが、逆にハーブを活用してプラスに転じさせていくのは名案だと思いませんか?
イノシシ対策に効果のあるハーブ
ハーブと言ってもいくつもの種類がありますし、ニオイの強いハーブ系の植物というとさらに種類が多くなります。
ここでは、効果が実証されているものを3つご紹介しましょう。
①レモングラス
レモングラスはイネ科の多年草で、アジア料理でよく使用されるハーブです。
タイ料理のトムヤムクンスープにはなくてはならないハーブですね。
他にもお茶として用いられたり精油を精製するなど活用できる幅が広いハーブです。
ある新聞記事によると、このレモングラスを活用してイノシシ対策の成果を出している地域があるようです。
そこでは、はじめイノシシ対策のため試験的にレモングラスの栽培を始めました。
同時に地域の特産品としての活用を見込んでの活動です。
結果は良好。
レモングラスを植えている畑にはイノシシが侵入していないことがわかりました。
レモングラスがイノシシよけに一役かっていることは明らかです。
このプロジェクトは、イノシシ対策としてレモングラスをただ植えるだけではありません。
収穫したレモングラスからイノシシの嫌がる成分を抽出し、それを畑にまくなどして効果を確かめる研究も進めているそうです。
この効果が実証され忌避剤として商品化されるのが楽しみですね。
犬と同じかそれ以上の嗅覚を持つイノシシの特性を活かしつつ、人間も恩恵を受けていくという今までにないイノシシ対策です。
②ミント
ミントはシソ科で和名をハッカとして親しまれています。
繁殖力が旺盛でこぼれ種と地下茎でぐんぐん増えていきます。
あまりにも増えすぎるので、お洒落なハーブというよりお百姓さんにとってはもはや雑草の域です(場所によっては商品になるのですが…)。
葉っぱは爽快感のあるメントールに富んでいるため、精油や香料にも用いられています。
では、イノシシ対策としての効果はどうなのでしょうか。
ある報告によると、イノシシ被害に遭っている場所に数年にわたってミントを植え続けた結果イノシシは寄り付いていないということ。
このメントールのニオイは、イノシシの嗅覚には強烈なんでしょうね。
再散布するのが億劫な人は雨で流れてしまう液体の忌避剤なんて面倒くさくてもっての他。
むしろ、ほったらかし農法で栽培できるミントは楽ちん&最強のイノシシ対策法なのかもしれませんよ。
③シソ
シソは和風ハーブの代表格として昔から親しまれ、香味付けとして使われてきました。
シソには多数の栽培品種があり、通常食用として使われているのは青じそと赤じそです。
シソの精油の主成分となる有機化合物ぺリルアルデヒドは、多くの植物の精油にも含まれている成分ですが、これに由来するものがシソ特有の香りと辛味を生み出しています。
さて、この香りの強いシソはイノシシ対策に功を奏すのでしょうか。
ある県の農業技術振興センターの調査結果は、シソが忌避作物になることを示しています。
実験の中で、このチームはイノシシの山際対策としてシソを含む4品目の農作物を植え付けました。
その結果、シソを植え付けた場所の周辺ではイノシシ出没が激減したとのデータが出ました。
そして、シソを越えて農地へ移動することもなかったようです。
イノシシにとってシソのニオイが強烈だったのでしょうか、もしくは餌としての価値がなかったのでしょうか。
詳細は不明ですが、シソにはイノシシを寄せ付けない効果があるということは実証されたわけです。
イノシシに効果的なハーブを使った対策グッズ
ここまでで、ハーブを植え付けることがイノシシ対策に効果があることがわかりました。
でも「ハーブを植えて増えるまで待てないし…」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のためにハーブを使ったグッズをご紹介しますね。
ハーブボール
(出典:Shino Farm)
動物・鳥駆除用に開発されたのが『ハーブボール』。
数種類のハーブエキスをブレンドして作った安心・安全な忌避剤です。
見た感じは丸くて茶色の固形化学肥料といった感じ。
イノシシが侵入する場所にばら撒いて使いますが、自然由来成分なので土に混ざっても安心です。
表面に特殊なワックス処理を施すことにより、長期間(約3ヵ月)にわたって効果を持続させるように工夫されています。
家庭用と業務用に分かれていて、使用する土地の広さによっても使い分けできます。
ちょっと試したいという場合も家庭用から始めてみることができますね。
「イノシシの通り道に撒いておいたところ、とたんに来なくなった」との報告もありますよ。
ばら撒くだけで3ヶ月間効果が持続する手軽さは、かなり魅力的ですね!
ハーブロープ
(出典:Shino Farm)
こちらのハーブロープは、ハーブボールを開発した同じ会社の製品です。
ヤシ素材のロープに100%天然ハーブエキスを浸透させて作ったものを、イノシシの高さに合わせて張るだけ。
高さ20㎝と50㎝の2列にロープを張ることでイノシシへの忌避効果がみられるようです。
ハーブの独特のニオイでイノシシを寄せ付けないという優れもの。
ロープの表面に有機ワックスを使うことで効果が長期間持続するようになっています。
その効果も鳥をはじめ、シカやイノシシなどの大型野生動物にも実証されているので、一度試してみてはいかがでしょうか。
金太郎忌避王 スーパーブラック
嫌がるニオイでイノシシを寄せ付けない忌避剤には色々な種類がありますが、この「金太郎忌避王 スーパーブラック」はハーブのニオイと他の素材とのコンビネーションアイテムです。
イノシシが嫌う木酢液をベースに、これまたイノシシが嫌いなニンニクそして天然ハーブエキスを配合したニオイ攻めの最強コンビネーション!
使い方はイノシシの侵入を阻止したい場所へ間隔をあけて設置します。
1カ所に大さじ1杯程度の量です。
これを2m間隔に設置します。
例えば、約50㎝の長さに竹を切って土に打ち込みその上に薬剤をのせていくとか、薬剤をしみこませた布をロープに結び付けておくなど、状況や場所に合わせて調整し設置していきます。
1本で200m分使えて2か月効果が持続するので経済的ですね。
設置の時期は畑を使う前の時期と収穫後の時期が勧められています。
その理由は、頭のいいイノシシに『嫌な場所』という学習をしてもらって、植え付けの時期に畑に寄り付かせないというのと、収穫が終わって何もない時期でも『嫌な場所』という記憶を植え付けることができたら通年現れなくなるのではないか、という考えです。
確かにイノシシの習性を利用したグッドアイデアですよね。
口コミもかなり評価が高いですよ。
ニオイはかなりきつく正露丸のようだとか意見もあります。
濃度は水のような液体のサラサラ感ではなくジャムくらいの粘度。
100均で売っているドレッシングの入れ物(先が細くなったもの)を使うと手を汚さずにスムーズに作業できるようです。
嗅覚の優れたイノシシの寄り付かないハーブのニオイを使い、さらに学習力の高い特性を利用して設置するから効果が期待できるんですね。
このアイテムも試してみる価値ありです!
イノシシ対策にハーブを使う注意点
イノシシ対策に効果的なハーブですが、使い方の注意点やデメリットも把握しておく必要はありますよね。
ここではイノシシ対策にハーブを使う注意点を解説していきます。
ハーブを嫌っているわけではない可能性もある
日本国内でのイノシシの研究は海外ほど進んでおらず、どちらかというとイノシシ生態についての情報は途上国寄りです。
そのため、イノシシの生態や駆除方法については科学的な根拠があるというよりは観察結果に基づく対処療法的なものがほとんどです。
ハーブについても同じことが言えます。
ハーブを植えたりハーブのエキスを使ったりすることによりイノシシの忌避効果は見られますが、果たして怖がっているのか嫌がっているのかと聞かれるとはっきりした科学的な証拠はないわけです。
現段階で考えられているのは、イノシシがハーブ類を餌だと認めていないか、または彼らに対してハーブ類が(威嚇効果というよりは)誘引効果がないもの(魅力がない)ということです。
そのためハーブを忌避剤として利用する時に覚えておきたいのは、威嚇効果としては使えないということ。
怖がらせて追い払うというスタンスではなくて魅力を感じさせず寄せ付けないアイテムとしてハーブを活用するなら、イノシシよけに効果的な方法として使っていけるでしょう。
嗅覚を狙った対策ならより強力な刺激臭や忌避剤も有効
イノシシ対策には視覚や聴覚など特性や習性を利用したものがありますが、嗅覚に絞ってイノシシ対策をするなら、ハーブのニオイに加え他の忌避効果のある素材と組み合わせた方が効果は高まります。
例えば、前述に紹介した『金太郎忌避王 スーパーブラック』も天然ハーブエキスを配合していますが、もっと強烈な臭いである木酢液やニンニクを使って忌避効果をより高めています。
木酢液は山火事を連想させる煙のニオイですから、イノシシにとっては近寄りたくないニオイです。
ニンニクも植えておくだけで近寄らないと言われていますから、イノシシを寄せ付けないために大いに働いてくれます。
その他にも唐辛子の成分カプサイシンの辛味も嗅覚の鋭いイノシシにはダメージのあるニオイとなります。
このカプサイシンを使った忌避剤は、イノシシの皮膚でもやわらかい場所である鼻に当たるとニオイもさることながら強い刺激(痛み)を与えられます。
これら忌避効果のある成分を組み合わせアレンジすることによって、より強力なイノシシ対策をしていきませんか。
唐辛子や木酢液、ニンニク、イノシシ用の忌避剤などの対策法についてはこれらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「イノシシ対策に唐辛子は効果ある?植える注意点や撃退グッズを紹介!」
>>「木酢液はイノシシ対策に効果ある?おすすめグッズや使用の注意点を解説!」
>>「【イノシシ駆除にニンニクは効果ある?】対策のコツや注意点を解説!」
>>「【イノシシに忌避剤は効果ある?】おすすめや対策の注意点を解説!」
イノシシ対策にハーブの効果がない場合は、駆除業者に依頼しましょう
人のいない時間や場所を狙って出没するイノシシ退治の為にハーブを植えたりしても侵入を阻止できない、ハーブエキス配合のアイテムを使っても効果が見られない、時間がたつにつれ効果が薄くなってきたりして忌避対策に疲れてきた…なんて方はいませんか。
田舎でも街の中でも見かけるようになったイノシシたちは大変危険な野生動物。
出没が相次いでいるとハーブで忌避対策!とか言ってられませんし、被害領域もそんな手に負えるような規模ではなくなります。
お年寄りや子供たちが被害に遭う前に早急に対処したい、お金がかかってもいいから確実に駆除したい!とイノシシの駆除を切望していらっしゃる方も少なくないでしょう。
そんな時こそイノシシ駆除の業者に頼んでみてはいかがでしょうか。
駆除業者はイノシシの専門家です。
イノシシのことを素人以上に知っていて対処の仕方も経験も豊富に持っています。
イノシシの繁殖力も想像以上なので、イノシシよけくらいではどんどん増えていくばかり。
確実に駆除したいならイノシシ駆除業者に相談してみてはいかがでしょうか。
おすすめのイノシシ駆除業者についてはこちらの記事で厳選しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。