「イノシシ対策に電気柵は効果あるの?」
「イノシシ用の電気柵は何がおすすめ?」
「イノシシ用の電気柵で事故があったらしいけど、素人でも設置できるものなの?」
はじめまして。害獣駆除博士です。
畑の作物を荒らすイノシシは農家からしたら憎い存在ですが、果たして電気柵で侵入を防ぐことはできるのでしょうか?
私の畑もイノシシ被害に遭っていて電気柵を検討しているのですが、本当に効果があるのか分からなくて…
電気柵でのイノシシ対策は決して安い金額ではないので、効果がないとしたら大きな損になってしまいますよね。
そこで今回は、イノシシ対策に電気柵は効果があるのか、正しい設置の方法やメンテナンスの仕方など電気柵の全てを分かりやすく解説していきます!
おすすめの電気柵も紹介しているので、イノシシ対策に電気柵を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
イノシシ対策に電気柵は効果あるの?
(出典:イノシシ対策の知恵袋)
効果に関して結論を先に申し上げると、「電気柵」はイノシシに非常に効果があります。
電気柵は、電流を流したロープを張り巡らせてイノシシを近付けない装置です。
イノシシの鼻が電気柵に触れれば、イノシシに電流が走ります。
体に電流が走れば、柵が怖い物だと忘れられなくなるのです。
イノシシを殺すわけではなく、痛みを覚えさせる事により心理的に近づけなくさせるのが電気柵なのです。
一度設置してしまえば放置しておくだけで効果があるため、人間が近くにいなくても効果が持続します。
商品によってはソーラー電池の物もあり、電池切れの心配をする必要もありません。
しかし、電気柵はいい加減に設置しても効果が半減してしまいます。
正しい設置方法に関しては後述しますので、必ず確認して下さい。
電気柵でイノシシに電気が流れる仕組み
電気柵は、電気柵本体(プラス)→電線→イノシシ→地面→アース→電気柵本体(マイナス)という流れで電流が流れます。
この電気柵の仕組みなんてどうでもいいと考えている人も多いと思います。
たしかに使えれば問題ありません。
しかし仕組みを理解していない場合、故障してしまったらどうなるでしょうか?
もちろん困りますし、故障している間にイノシシが侵入するかもしれませんよね。
また効果が思うようにでない時も、効果が出ていない原因を特定できません。
電気柵の仕組みを知っておけば、電気柵の効果を最大限に発揮できるのです。
イノシシ用電気柵の価格相場
電気柵にかかる費用はピンキリです。
電気柵で使用する機材を全て集めた場合、高くて10万円、安くて2万円程です。
大きな値段の開きがあり安い物のほうが魅力的に感じますが、安すぎると電線が短かったり壊れやすかったりします。
概ね費用の違いは「電気柵を仕掛ける範囲」の影響が大きいです。
電気柵はセットで販売している物が多いですが、付属品だけだと支柱とワイヤーの長さが足りない場合があります。
電気柵で囲う場所が広いのに無理に付属品だけで囲おうとしてしまうと、イノシシの侵入を許しやすくなってしまいます。
支柱やワイヤーが足りない場合は、買い足して被害場所全てを囲むように設置しましょう。
また本体も安ければ得という事はありませんので、ネットで商品のレビューを見たりして評判の良い電気柵を買いましょう。
自治体の中には電気柵設置の補助制度もあるので、お住まいの自治体に確認するのも重要です。
おすすめのイノシシ用電気柵
数ある電気柵の中でおすすめしたいのが「アルミス 電気柵100m×2段張りセット ファームガード・ソーラー式 FGN10-SET-S」です。
理由としては、利用者が欲しいと思ってる機能を全て備え付けているからです。
ソーラー式で電池の交換がですので、電池が切れた時にイノシシに侵入されることがありません。
また防雨機能もありますので、雨での故障を心配しなくてもいいです。
開封後そのまま設置できるのは嬉しいですよね。
さらにコントローラー機能が内蔵されていますので、組み立ての段階で間違って取り付けたりする心配がありません。
利用を始めてからコントローラーが紛失する可能性があるため、内蔵型は便利です。
その他にも電圧、バッテリー、ソーラーの電圧が確認できるので、どこかに問題があればすぐに問題がある場所が分かります。
初めて電気柵を購入する人だけでなく、これまで色々電気柵を使ってきた人にもおすすめできる電気柵です。
価格:32,600円
イノシシ対策に効果的な電気柵の設置方法
電気柵は、設置方法を間違えるとイノシシに簡単に突破されてしまいます。
ここで紹介するのはどれも当たり前のことですが、一つ一つが重要な事ですので忘れずに実行しましょう。
①飛び越えられるのを防ぐために傾斜地は避ける
傾斜地の近くに電気柵を設けると、イノシシに飛び越えられる可能性があります。
イノシシは、傾斜地の高いところから低いところにジャンプして飛び越える事があるからです。
傾斜地の近くに電気柵を設置する場合は、傾斜地から2mは離すようにしましょう。
②地面の通電性を高める工夫をする
電気柵の柵の設置場所はどこでも良いわけではありません。
電気が通りやすい場所に設置して、通りにくい場所は避けるようにしましょう。
通りやすい場所というのは、地面に水を含んでいる湿気がある場所です。
逆に湿気がない乾いた場所は、電流が通りにくいので避けましょう。
この他にもアスファルトや石畳なども電流が通らないので注意しましょう。
もしどうしても電流が通りにくい場所に電気柵を設置しないといけない場合は、電流を通すコツがあります。
電気柵対応をしている防草シートやトタン板などの電流を通すものを敷くのです。
これならアスファルトなどの電気を通さない物が近くにあっても、電気柵の効果が見込めます。
また電気柵の位置を畑により近い位置にするのも、電流が通りやすくなります。
③漏電を防ぐための草刈りをする
(出典:スマエネ)
草がたくさん電気柵の周りに生えていると、漏電する可能性が高まります。
ロープが草に触れていると、電線から草に電流が流れてしまい電流が弱くなってしまうのです。
その結果として、イノシシに正常な量の電流が流れにくくなり驚かせる事ができなくなります。
電流の強さを保つために、電気柵の周りは草刈りをしっかり行っておきましょう。
④イノシシの隠れ家になる藪も刈る
電気柵の近くに藪があると、そこにイノシシが隠れてしまう可能性があります。
イノシシが藪に隠れてしまうと、そこから電気柵を安全に眺めることが出来てしまうのです。
イノシシは非常に警戒心の強い動物です。
そのため電気柵の周りの藪をしっかり刈っておけば、隠れる所がないため電気柵にも近づきにくくなるのです。
⑤電気柵は周囲を隙間なく全て囲む
電気柵を設置する場合は、周囲を完全に塞いでしまいましょう。
イノシシは凶暴なだけでなく賢い動物でもあります。
一箇所でも隙間があると、イノシシは隙間から侵入してくるのです。
侵入された方面しか電気柵を設置しない人がいますが、イノシシは全ての方向から侵入しようとしてくるので注意しましょう。
さらにイノシシが電線に触れやすくするために、碍子(がいし)を囲んでいる畑の外側に向けて設置しましょう。
⑥イノシシの鼻の高さに電線を張る
電気柵は、イノシシの鼻に触れやすい高さに設置する事によって最も効果を発揮します。
理由としては、イノシシは鼻先を使って物体を確認していることに加えて濡れているため電流が流れやすいからです。
イノシシの他の体の部分は、硬い皮膚に覆われているだけでなく毛も沢山あります。
そのため、鼻以外の部分に電気柵が触れても効果が薄いのです。
ですので、イノシシの鼻の位置に電気柵の電線を張るようにしましょう。
基本的には地上から20cmの場所に一本目をつけるのがおすすめです。
そして、1本目から20cm上側にもう一本張るのが一般的な貼り方です。
草の漏電を恐れて高い位置に電線を張るのは、効果が薄くなるのでやめましょう。
イノシシの鼻の高さに設置し、草刈りをしっかりと継続するのが1番イノシシに効果的なのです。
⑦地面が凹んでいる箇所にも電線を張る
イノシシは隙間があれば潜り込んでこようとします。
地面が凹んでいる場合は、そこから侵入してこようと当然してきます。
凹んでいる場所にも電線を追加し、隙間を塞ぎましょう。
イノシシは穴を掘るのが得意ですので、小さな凹みでも掘って通り抜けてきます。
⑧アースを打ち込む
アースというのはご存知でしょうか?
アースは、電流が流れる時のマイナス極の役割をしている機器です。
電流は、プラス極だけでなくマイナス極にも流れないと通電しません。
そのため、アースが正常に働いていないと電流がイノシシに流れないのです。
またアースは地面にしっかりと打ち込みましょう。
地面に浅く打ち込んだだけでは電流が流れにくいからです。
複数のアースがある場合は、等間隔で離して地面に打ち込む方が電流が流れやすくなります。
さらに打ち込んだ方がいい場所としては、湿り気のある場所がおすすめです。
水気がある場所の方が電気を通しやすいからです。
仮にアースの刺した場所の一箇所が乾いていても、他のアースが湿っている場所だと電流が通りやすくなります。
購入した電気柵によっても使い方は若干異なりますので、詳しい使い方は付属の説明書を確認しましょう。
⑨設置が完了したら電源を入れる
電気柵は設置したその日から電流を流しましょう。
電気柵の電源を入れないでそのままにしておくと、イノシシは通電していない線に鼻で触れてしまいます。
その結果、イノシシは「触れても何も起こらない」と覚えてしまうのです。
イノシシは初めて見る物には鼻で触りますが、自分が知っていて安心している物には鼻で触りません。
電気柵に侵入する際も体は触れますが、鼻は触れないで侵入してくるようになるのです。
体は硬い毛に覆われており電気を通さないため、電気柵の効果が発揮されないのです。
このような結果になってしまうと、電気柵を設置しても効果が全くでないことになりかねません。
そのため、電気柵は設置した段階ですぐに電源はONにしておきましょう。
イノシシ用電気柵のメンテナンス方法
電気柵を設置したら後に放置しておくだけではダメです。
設置後も頻繁に電気柵のメンテナンスを行いましょう。
具体的には、「草刈り」を定期的に行い「漏電」と「隠れる場所を作る」のを防ぎましょう。
皆さん分かっているように、草の成長スピードは早いです。
そのままにしておけば漏電の原因になってしまいます。
草刈りをしっかりと行っていれば見晴らしが良くなり、イノシシが隠れる場所もなくなります。
その結果として近づけなくなるのです。
その他にも杭を倒している場合や、電気柵の本体が動いていない場合もあるので、頻繁に電気柵の確認をしましょう。
イノシシの足跡が電気柵の周りにあり電気柵に異常がなければ、怖くて近付けていない証拠です。
電気柵がイノシシに突破された場合の対処方法
電気柵をしっかりと設置したとしても、運悪く突破される可能性もあります。
そんな時はもう諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、まだ諦める必要はありません。
実は「電気柵に変化をつける」事により、イノシシはもう一度電気柵を恐れるようになるのです。
具体的には、まずイノシシの侵入経路を特定しましょう。
その後、侵入経路にこれまでとは違うロープを張ったり、看板を立ててみましょう。
イノシシはこれまでと違う事を察知して、もう一度電気柵を警戒するようになります。
イノシシ用電気柵を設置する際の注意点
電気柵はイノシシ駆除に効果的ですが、使用方法には注意が必要です。
誤った使い方をしてしまったが故に、「被害が拡大したケース」や「人間へのトラブル」が起こった例も存在します。
ここでは、電気柵を安全で効果的に使うための注意点を紹介します。
釣り糸やタコ糸などを使ったダミーの電気柵は設置しない
電気柵の代わりに「釣り糸」や「タコ糸」を使用するのは絶対にやめましょう。
釣り糸やタコ糸を使用する人は、イノシシが釣り糸などを危険な物だと勘違いするのを期待しているのだと思います。
しかし、もしイノシシが釣り糸やタコ糸を触って電流が流れないとどうなると思いますか?
イノシシは、電気柵に似たような物は怖くないと思ってしまうのです。
その結果、正式な電気柵が設置であったとしても壊して侵入してくるようになってしまうのです。
たしかに釣り糸などは安上がりですし、設置も簡単だと思います。
しかし一度突破されてしまうと、電気柵を買う費用よりも被害費用の方が大きくなる危険性があるのです。
市販の電気柵であれば人間が触れても事故の危険性はほとんどない
電気に触れると聞くと、感電死をイメージする人もいるのではないでしょうか?
実際は市販の電気柵でそのような心配はいりません。
電気柵は、電力が小さく設定されているだけでなく電力が流れる時間も短いのです。
人間が触ればピリッとして驚くかもしれませんが死ぬことは無いのです。
かつて電気柵で死亡した事件がありましたが、それは使用者が改造した物でした。
市販の物は安全に作られていますので、素人が勝手に改造しないようにしましょう。
注意点としては、電気柵を触り電流が流れて驚いて転倒する人はいます。
大事故に繋がらないように、周りに刃物などを置かないように気を付けましょう。
電気柵以外のイノシシ対策方法
これまで電気柵の使い方や効果を説明しましたが、イノシシには他の駆除方法もあります。
まずは忌避剤の使用が挙げられます。
忌避剤はイノシシが苦手とする成分や臭いを配合している薬であり、イノシシの移動エリアに設置して追い払います。
例えば、ニンニク、唐辛子、ハーブなどの臭いをイノシシは苦手としています。
またワイヤーメッシュを使ってイノシシの侵入を防ぐ方法もあります。
ワイヤーメッシュは、工事現場で使われることが多い鉄の柵です。
そのため、非常に硬くイノシシの侵入を防ぐ柵としても活用できるのです。
さらに光を使った駆除の方法もあります。
明るいライトや青色のライトを使って驚かせて、イノシシを追い払う方法です。
イノシシは夜行性ですので光に弱い傾向あり、その弱点を利用して追い払う方法になります。
これらのイノシシ対策の方法については以下の記事で詳しく解説しているので、おすすめ商品や使用の注意点などを知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【イノシシに忌避剤は効果ある?】おすすめや対策の注意点を解説!」
>>「イノシシ対策にワイヤーメッシュ柵は効果ある?設置方法や注意点を解説!」
電気柵でイノシシ対策できない場合は、プロの駆除業者に依頼しましょう
電気柵はとても効果的なイノシシ駆除対策です。
しかし、100%イノシシが駆除出来るかというとそうでもありません。
設置する場合に誤った設置方法をする人もいるからです。
皆さん電気柵の使用状況が違うので、説明書を見ただけでは設置方法が間違っている場合があるのです。
また電気柵を正しく設置できたとしても、柵を壊して入ってくるイノシシもいるのが正直な所です。
何回電気柵を設置したとしても、素人判断ではまた壊されて侵入されてしまう可能性があります。
もしイノシシ対策に自信がないようでしたら、イノシシ駆除業者に頼むのをおすすめします。
イノシシ駆除業者はイノシシ駆除のスペシャリストです。
電気柵の効果的な使い方を知っていることはもちろん、忌避剤やライトの使い方も熟知しています。
追い払うだけではなく、捕獲をしてくれる場合もあります。
イノシシは獰猛な生き物ですので、素人では怪我をしてしまう時もあります。
業者に頼めば、怪我を心配をする必要もありませんし再発防止の対策も打ってくれます。
多くの業者は無料で現地調査や見積もりを出してくれるので、是非とも一度イノシシ駆除業者に相談してみてくださいね。
おすすめのイノシシ駆除業者についてはこちらの記事で厳選しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。