「コウモリは超音波器で撃退できるの?」
「コウモリの出す超音波を利用した撃退法って何かある?」
「超音波でコウモリを駆除できるアプリはあるのかな」
はじめまして。害獣駆除博士です。
コウモリは超音波を発して獲物や障害物との距離を測る動物として知られていますが、撃退法として超音波器は有効なのでしょうか?
私の家にもコウモリが住み着いているのですが、超音波器が効くかどうか分からなくて…
超音波器はそれなりの値段がするので、効果が分からない状態で買うのは悩むところですよね。
そこで今回は、超音波を使ったコウモリ撃退法は効果があるのか分かりやすく解説していきます!
超音波器を買わなくても身近にあるグッズで代替できたり、無料の超音波アプリもあったりするので、これらも併せて紹介していきますね。
コウモリの撃退に超音波っておすすめできるの?
結論からいいますと、超音波発生器はコウモリ対策として「一定」の効果はあるでしょう。
駆除業者でも超音波発生器を使って屋内のコウモリを追い出しているところもあります。
飛行中のコウモリは絶えず超音波を使って自分の位置を把握。
超音波をコウモリに直接当てることで、コウモリたちは一時的に混乱し、自分たちの飛んでいる位置が分からなくなります。
コウモリの出す超音波に類似した妨害音をコウモリ当てるという実験を行ったところ、コウモリたちの距離識別能力は低下したとの結果が出ました。
コウモリたちの出す超音波以外の超音波によって、正しく自分たちと周りの物との距入り関係を認識することが難しくなることが分かった実験でしょう。
超音波を使ったコウモリ撃退法がおすすめできない理由
確かにコウモリたちの距離識別能力を低下させることが実験では分かりましたが、超音波を使ったコウモリ撃退方法はおすすめできません。
なぜおすすめできないのかについて、理由を3点ほどあげてご説明していきます。
コウモリが超音波に慣れてしまう可能性があるから
コウモリは非常に学習能力の高い哺乳類として有名です。
その学習能力の高さから、長期間、市販品の超音波発生器をコウモリに対して使用していくと、コウモリたちが超音波発生器からの超音波に慣れてしまいます。
超音波発生器からの超音波にコウモリたちが慣れてしまうと、コウモリ駆除の効果は減少していってしまうでしょう。
超音波がまっすぐにしか進まずにコウモリに当てづらいから
「超音波」自身の特性である「直進性」もコウモリ対策には向いていない理由です。
超音波はまっすぐにしか進めないという特性があります。
コウモリに対して狙いを定めてまっすぐ超音波を当てられるように超音波発生器をうまく設置することは、非常に現実的ではありません。
コウモリは非常に複雑な動きで飛び回りますので、効率よく超音波を当て続けることは難しいでしょう。
コウモリ自身の超音波の波長を変えて対応できるから
コウモリは学習能力が高いだけでなく、非常に器用です。
コウモリたちは自分たちと似たような超音波を感知すると、自分が混乱しないように自分の超音波の波長を変えることができます。
コウモリたちは集団で生活するため、自然と自分の超音波の周波数を調整する能力を身につけていったのでしょう。
コウモリがたまに家にやってくるのを追い出すときには超音波発生器も効果があります。
しかし、コウモリたちが屋根裏などに住み着いてしまった場合には、超音波発生器にも慣れてしまうでしょう。
コウモリたちが住み着くなど、駆除が難しい状態まで悪化している場合、超音波発生器は対策としての有効性を失ってしまいます。
コウモリの超音波の仕組みを知って適切な対策を
コウモリたちの超音波の性質や仕組みを理解することも効果的なコウモリ対策を取る上で重要になります。
ここからは、コウモリの超音波の仕組みについてご説明していきましょう。
コウモリは超音波で対象物の情報を知る
コウモリは「エコーロケーション」という能力を持っているのはご存知でしょうか?
エコーロケーションとは、コウモリ自身から発せられた高周波音(パルス)を様々な物に当てて、跳ね返ってきた音(「反響音」または「エコー」ともいう)を受信する能力のことです。
エコーロケーションによってコウモリたちが知る情報は以下の通りになります。
- 距離:パルスとエコーの時間差を計算して、対象物までの距離情報をコウモリたちは知ることが可能です。
- 大きさ:反射してくる波の大きさで対象物の大きさを判別することもできます。
- 方向:反射してきた超音波の角度も識別可能。角度によって対象物の方向の情報を得ています。
- 速さ:対象物が動いていると周波数が変化するため、その変化を知ることで対象物の速度を知ることが可能です。
他にもエコーロケーションを使って、コウモリどうしのコミュニケーションが行われていることも分かっています。
コウモリの超音波の周波数は2種類
コウモリたちが発するエコーロケーションのうち、パルスには2種類あります。
1つ目は周波数が変化するFM波。
2つ目としては周波数が一定で変わらないCF波があります。
この2つの周波数をエコーロケーションで上手く使うことで、コウモリたちは周りの餌となる虫や外敵の情報を得ることが可能です。
アブラコウモリはFM波とCF波を上手く使って、餌をとっています。
餌を探すときにはFM波とCF波を組み合わせたパルスを使用。
餌を見つけて近づくときや障害物があることが分かったときにはFM波だけを使用することも分かっています。
餌や障害物といったターゲットとの距離が近づくと、パルスの使用をFM波だけにして、エコーの受信時間を短縮。
エコーの検知間隔が短時間になればなるほど、ターゲットとの正確な距離や大きさを知ることができます。
ちなみに、ターゲットとの距離が5m以下になると、パルスを短くする傾向があるとのことです。
コウモリの高機能なエコーロケーションについてご説明していきました。
エコーロケーション機能の性質も理解しておかないと、なかなか効果的なコウモリ対策を施すのは難しいので、しっかりと覚えておいてくださいね。
コウモリを撃退できる超音波の周波数は20〜50kHz
コウモリを撃退するのに有効な超音波の周波数は20〜50kHzだと言われています。
コウモリの種類によって、使用する超音波の周波数に若干の誤差があるのはご存知でしょうか。
有名なコウモリの使用する周波数帯は、以下の通りです。
- アブラコウモリ:40〜50 kHz
- コキクガシラコウモリ:110kHz
- キクガシラコウモリ:68kHz
- モモジロコウモリ:40〜60kHz
- ヤマコウモリ:20〜25 kHz
- ヒナコウモリ:20〜25 kHz
屋内に住み着くアブラコウモリの使う周波数帯がすっぽり入る20〜50kHzの周波数を発生させる製品を使うと効果的です。
ネットショップやホームセンターなどにも超音波発生器が何種類も売られていますが、20〜50kHzの周波数を出せるものを購入するとコウモリ対策として使えるでしょう。
間違った周波数帯の超音波発生器を使ってもコウモリ対策になりませんので、気をつけてください。
また、猫やネズミ対策の超音波発生器はコウモリには有効ではありません。
猫やネズミとコウモリが聞こえる周波数帯はまったく違うので注意が必要です。
パッケージや説明書で使用できる周波数帯を確認してから超音波発生器を買われることをおすすめします。
身近にある超音波でコウモリを撃退できるおすすめグッズ
超音波によるコウモリ対策はあまり大きな効果は期待できません。
ですが、どうしても今すぐ一時的にでもいいから、コウモリを追い出したいというときもあるでしょう。
そういった急なコウモリ対策には、身近にあるものが役に立つことがあります。
身近にある一時的なコウモリ対策についてご紹介していきましょう。
ラジオの超音波で撃退
携帯ラジオやCDラジカセのラジオ機能が一時的なコウモリ対策には有効です。
特にラジオで使われる高い周波数がコウモリたちの出す超音波の周波数帯に影響を及ぼすからだと言われています。
ラジオを用いたコウモリ対策の方法は、ベランダや庭、屋根裏などコウモリがいる場所にラジオの電源を入れて設置しておくだけです。
注意点としては、周波数の高い電波を受信しているラジオに設定しておくこと。
ラジオの電源をいれた状態にしておくことが重要です。
音の大きさは関係ありませんので、気をつけてください。
消音にしておいても大丈夫です。
CDやDVD、アルミ箔で超音波を妨害
手軽に入手できるCDやDVD、blue-rayといったディスクを使って超音波を跳ね返すことも身近なコウモリ対策として使えます。
CDを例にして使用方法の説明を続けていきましょう。
ベランダや庭、家の目立つところや直接コウモリが生息するような場所の近くにCDを吊り下げておくことで、コウモリが近寄ってこなくなる効果が期待できます。
CDの裏面の鏡面部分が特殊な盤面になっていて、コウモリの超音波を反射することが可能です。
また、アルミ箔でもコウモリが発する超音波を跳ね返すことができます。
短冊上に切ったアルミ箔を吊るしておくことで、コウモリが発生する超音波を乱反射させることが可能です。
超音波を乱反射させられてしまったコウモリは、正確なエコーロケーションができません。
ですので、周囲の情報確認ができなくなり、人間でいうところの目が見えない状態になってしまいます。
超音波を出せるコウモリ撃退アプリのおすすめは?
「超音波バリア」というアプリがあります。
「超音波バリア」は15kHz〜20kHzまでの6つの高周波音をモスキート音として再生できるアプリです。
ただし家に住み着くアブラコウモリに有効な周波数である40〜50kHzは出せないため、効果が高いかと言われるとまだまだ未知の部分もあるのが事実です。
とはいうものの「超音波バリア」は無料ですので、試してみる価値はあるのではないでしょうか?
「超音波バリア」には4点ほど注意点があります。
1点目は、長時間大音量で使用しないようにしてください。
2点目、使わない時は必ず超音波を停止させておきましょう。
3点目として、イヤホンやヘッドフォンでの使用は控えてください。
4点目には、頭痛など身体に悪影響を感じた場合には、直ちに使用を止めるようにしましょう。
磁石でコウモリの超音波を乱すことはできる?
結論からいいますと、磁石でコウモリ対策を行うことはできません。
といいますのも、磁石の磁気とコウモリが発する超音波とでは、全く性質が異なる現象だからです。
磁気と超音波が互いに干渉することはありません。
ですので、磁石の磁気がコウモリの発する超音波を混乱させて、コウモリが近寄ってこないようにするということは期待できないでしょう。
コウモリ対策に磁石を使うことについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
超音波以外の自分でできるコウモリ撃退法
超音波以外の実績が多く報告されているコウモリ撃退法を用いたり、一緒に使っていったりすることが、より効果の高いコウモリ対策になると考えています。
特に、コウモリの嫌いなハッカの匂いを使ったスプレーやジェルといった忌避剤がコウモリ対策としての実績も多く報告されています。
スプレータイプの忌避剤やジェルタイプの忌避剤はホームセンターやネットショップでも販売されていて、手に入れやすいです。
コウモリにスプレーを直接吹きかけて追い出したり、コウモリの侵入口や住処にジェルタイプの忌避剤を設置したりすることで、コウモリを駆除していくことができるでしょう。
スプレータイプの忌避剤は数時間、ジェルタイプの忌避剤は約1ヶ月の間効果を発揮しますので、一時的なコウモリ対策としても使うことができます。
スプレーやジェルタイプのコウモリ用忌避剤のおすすめグッズやコウモリ駆除全般についての知識はこれらの記事で紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「コウモリ駆除スプレーは効果ある?正しい使い方や時間帯を知って撃退!」
超音波でコウモリを撃退できない場合は駆除業者に頼むのがベスト
超音波やCD、アルミ箔、スプレーやジェルといった忌避剤も一定の効果はありますが、効果の持続期間が短いのが欠点です。
自分でコウモリ対策をしていくためには、一時的に追い出すだけでなく、再度の侵入を防いでいくことが重要になってきます。
侵入経路を網目の細かい金網で隙間なく塞いでいくことも重要です。
ですが、完璧に侵入経路の隙間を埋めるという作業は素人には難易度が高いです。
侵入口が高所だったり、コウモリの夜行性だったりで、夜間高所での作業も必要な場合もありますので、危険が伴う作業だと言えるでしょう。
危険といえば、コウモリのフンにも危険性は内在しています。
コウモリのフンには感染症を引きおこすような菌が付着していることもあるでしょう。
フンが粉状になり、空気中に舞ったものを吸い込むというリスクもあります。
フンを食べるために集まってくる害虫によって、人間の身体に悪い影響が起こることもあるでしょう。
フンや尿によって家屋の強度が下がっていることもあります。
家屋の補強にはより専門的な知識が必要です。
自分一人で対応するのが難しいと思う方は、専門のコウモリ駆除業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
安全に、かつ確実に、コウモリ対策を施すことができます。
コウモリ駆除業者は無料で見積もりや現地調査に来てくれるので、協力を頼むということも有効なコウモリ対策なのではないでしょうか。
口コミや評判のいいおすすめのコウモリ駆除業者はこちらの記事でランキング形式で紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。