「コウモリの被害ってどんなものがあるの?」
「コウモリって人間の血を吸いに襲いかかってくるのかな?」
「コウモリ被害にはどんな対策が有効なの?」
はじめまして。害獣駆除博士です。
コウモリは数々の被害をもたらす害獣なのですが、被害を知ることで防ぐための適切な対策へと繋げることができます。
私もコウモリ被害に遭っているのですが、どんな対策をしたらよいか分からなくて…
コウモリ対策の方法はたくさんあって、どれがいいか迷ってしまいますよね。
ですがご安心ください!
今回は、コウモリの代表的な被害事例とともに効果的な駆除方法を分かりやすくご紹介します!
対策の注意点や守るべき法律についても解説しているので、最後まで読んで安全に対策していきましょう。
コウモリの生態や特徴
日本では35種類のコウモリが確認されています。
そのうち多くの種類がレッドデータブックに記載され、絶滅が危惧されている種も多いのが特徴です。
また日本の哺乳類は約100種いるとされ、その3分の1がコウモリであるということはあまり知られていません。
そして日本の人家周辺で見られるコウモリのほとんどがアブラコウモリなのはご存知でしょうか。
日本に生息するコウモリ35種類の中で、家屋をすみかにするのはアブラコウモリ1種だけです。
夏の夜に市街地の街灯周辺を飛び回っていることも多く、アブラコウモリを見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。
アブラコウモリは夜行性で、日中は太陽の光を避けて夕方から活動します。
餌を求め巣から飛び出てくる姿を街中で見かけることも多いです。
アブラコウモリは体長4〜5cmほどで、1cmくらいのわずかな隙間があれば簡単に狭い空間へ侵入することができるのです。
アブラコウモリは通気口や天井裏などに侵入し、群れで営巣していることも多いです。
天井裏でアブラコウモリ約百匹が一緒に生活していたという例もありました。
コウモリの代表的な被害
ペルーのアマゾン奥地に住むコウモリの中には、人間の血を吸う種類も分布しています。
しかし、日本に住むコウモリは直接私たち人間を襲ってくることは滅多にありません。
昆虫などを餌としているため、人間が近づいたらコウモリの方から逃げていくでしょう。
ですが、コウモリは間接的に私たちに様々な被害をもたらします。
コウモリが家に住み着くことで、私たち人間にどのような影響を与えるのかについてご紹介していきましょう。
フンによる被害
コウモリは同じ場所にフンをします。
1日に4回以上フンをするため、量も多いです。
コウモリのフンは臭いだけでなく、天井から染み出してくることもあり注意が必要です。
乾燥したフンが崩れて細かな粒子となり、空気中に飛散していく場合もあります。
その粒子を人間が吸い込んだことによって感染症を引き起こすといった事故が、国外で起きています。
特に怖いのがコウモリのフンに含まれる「カビ菌」を吸い込んだことによって「ヒストプラズマ症」という病気に感染することです。
他にもコウモリが原因となって発症する病気もあります。
- アルボウイルス感染症
- 狂犬病
- ニパウイルス感染症
- ハンタウイルス感染症
- ヘンドラウイルス感染症
- リッサウイルス感染症
近年、幸いなことに日本でこれらの感染症がコウモリ由来で発生したケースはありません(ハンタウイルスや狂犬病は他の原因で日本でも発症例があります)。
実害が出ていないとしても、コウモリは野生の動物です。
未知のウイルスの宿主である可能性も捨てきれません。
コウモリ自体だけでなく、コウモリのフンを餌とするハエやゴキブリといった害虫による二次被害の可能性もあるでしょう。
ハエやゴキブリはコレラや細菌性赤痢、腸チフス、A型肝炎といった感染症を媒介する生物として有名です。
コウモリの糞害にせよ害虫の被害にせよ、どちらの病気も気をつけたいものですね。
またネズミのフンとコウモリのフンの区別がつかないという質問をよくもらいます。
ネズミのフンはコウモリのフンと比べて食物繊維が多く含まれ、硬くなっているのが特徴です。
一方、コウモリのフンは脆くて崩れやすいという特徴があります。
コウモリの糞の特徴は画像付きでこちらの記事で解説しているので、コウモリの糞の見分け方など詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
ノミやダニ、ウイルスによる病気や健康被害
野生動物の多くは何かしらの菌を保有しています。
コウモリもこの例からもれず多くの菌を持っていますので、気をつけてください。
菌だけでなく、コウモリには人間に害を与えるダニやノミも寄生しています。
ダニやノミは人間の使う布団や畳に住みつき、人間の生活環境に侵入していくのが特徴です。
コウモリのフンや尿から「コウモリマルヒメダニ」や「コウモリマダニ」、「コウモリトコジラミ」の3種類のダニが媒介されていることが分かっています。
コウモリのフンや尿がある巣の近くからこれらのダニが室内に侵入し、人間を襲うこともあるでしょう。
人間の首や手足などの肌の露出部からダニたちは吸血してきます。
ダニによる吸血箇所は数日経ってから腫れたり、痒くなったりして症状が現れてくることが多いです。
ダニやノミが人間の生命を脅かす様な病原菌を媒介することは世界中でよく知られていることですね。
騒音被害
コウモリの被害はフンだけでなく、鳴き声や羽音の騒音による問題もあります。
コウモリの鳴き声は「キィキィ」、羽音は「バサバサ」という特徴的な音です。
コウモリは夜行性であるため、寝静まった深夜には活動音がより大きく聞こえるでしょう。
特に営巣した場所が壁の中や天井の場合、より騒音が発生しやすいです。
音がうるさくて寝られないといった人間の日常生活にも悪影響が出てきます。
メスのコウモリが住み着いている場合はさらに音の被害は深刻になります。
メスのコウモリは一つのグループになって生活するのが基本で、多い場合ですと一グループ百匹近いコウモリがいたという例もありました。
ペットへの感染症被害
ペットが間違ってコウモリのフンを食べてしまい、感染症を引き起こしたという被害も数多く出ています。
さらにコウモリのフンを食べてしまったペットから人間へと感染症が移ってしまったという事例もあり、ペットとのスキンシップの際は特に注意が必要です。
コウモリが住み着いていることが分かった際には、日頃からペットの口もとを除菌シートなどできれいに拭いてあげて清潔に保つようにしましょう。
ペットが拾い食いしないように、普段から床にコウモリのフンが落ちてないかどうか気をつけることも大事です。
また、コウモリに寄生していたダニやノミがペットに感染症を移す危険性もありますので注意してください。
攻撃してくる危険性も
日本でみられるアブラコウモリをはじめとしたコウモリたちに攻撃性はありません。
温厚な動物です。
しかし、コウモリの身に危険がともなうと防衛本能として噛み付いてくることもあります。
子どもが産まれたばかりの時期も攻撃的になることがありますので気をつけてください。
コウモリは普段は全く好戦的な動物ではないので、人に襲いかかってくることは稀です。
家の中に入ってきた時も明るさや閉鎖的な空間にパニックを起こしているだけなので、窓を開けてコウモリが外に出られるようにすると逃げていきます。
捕獲しようとしたり駆除しようとしたりすることでコウモリたちが命の危機を感じると攻撃してきますので、そういったことは避けるようにしましょう。
血を吸われる危険性はない
日本にいるコウモリは人間の血を吸うことはありません。
蚊やコバエなどの小さな虫が大好物なので、夏の夜の街灯周辺に集まる虫を目当てにコウモリはやってきます。
吸血鬼ものの文芸や映像作品の影響で、コウモリと吸血行為を連想される方も多いのではないでしょうか。
実際には南米を中心とした限られた地域にしか吸血コウモリは分布していません。
ですので、日本国内にいるときにはコウモリに吸血されるかもと怖がらなくて大丈夫です。
狂犬病の危険性も低い
コウモリが宿主となる感染症で怖いものの一つに「狂犬病」があげられます。
アフリカやヨーロッパ、アメリカ大陸などでは、コウモリから狂犬病が感染した事例もありました。
ですが、日本のコウモリから狂犬病が感染するという可能性は非常に低く、無害であるといえるでしょう。
根拠としては、1970年代以降に日本国内で狂犬病が発症したという報告はされていません。
そのため、日本は世界的にも珍しい「狂犬病清浄地域(狂犬病がないとされる国)」として知られています。
50年以上狂犬病と縁がない国なので、日本のコウモリから狂犬病が移るという可能性は極めて低いでしょう。
心配する必要はありません。
しかし、海外ではコウモリは狂犬病だけでなくエボラ出血熱などの感染症の運び屋として認知されていますので、海外では気をつけてください。
人間の遺伝子とコウモリの遺伝子が近いため、人間に発症しやすい感染症をコウモリは運んでしまいます。
ちなみに外国から狂犬病ウイルスをもったコウモリが日本に上陸することはないと言われていますので、ご安心ください。
コウモリは一般住宅以外に倉庫やビルにも住み着いて被害をもたらす
コウモリによる被害の深刻さは一般住宅よりも企業の方が大きいといえるでしょう。
コウモリは飲食店ビルや駅構内、倉庫など公共施設にも侵入し住み着きます。
倉庫や広い施設、大きいビルなどはコウモリが侵入しやすい隙間も多いです。
それだけでなく、人の目も届かないような高いところで営巣してしまうため、発見が遅れてしまってコウモリによる被害が深刻化してしまいます。
特に食品関係を扱う企業がコウモリの被害にあいますと、より問題は大きくなります。
業務停止命令だけでなく、衛生的にも危険が増してしまいます。
もしも何かあった場合、損害賠償請求をされ社会的な信頼を大きく失ってしまう可能性もあるでしょう。
一度でもコウモリの侵入被害が確認された場合には、速やかに駆除専門業者に協力を要請することをおすすめいたします。
コウモリの駆除や捕獲は自治体の許可が必要
日本では「鳥獣保護管理法」という法律で、コウモリは守られています。
自治体の許可なしで捕獲や殺傷することはできません。
日本の住居内で多く見られるアブラコウモリ(別称:イエコウモリ)はわずかな隙間から家屋に侵入して不衛生な環境をつくりだす厄介者です。
しかし、許可なしでアブラコウモリを捕獲したり駆除したりした場合には、法律で罰せられてしまいます。
たとえ保護目的で捕獲しても、触れること自体許可が必要になるので気をつけてください。
鳥獣保護管理法違反により「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられることもあります。
各自治体からの許可条件や許可基準を満たすことは素人には難しいものです。
素人には、害獣駆除業者に依頼するか、家から追い出すかしかできないのが現状でしょう。
自分でできるコウモリ被害の対策法
限られた方法になってしまいますが、自分でできるコウモリ被害の対策方法もあります。
「コウモリの侵入経路や住処をみつける」ことや、「コウモリを追い出す」こと、「金網やネットで侵入経路を塞ぐ」といったこと、「フンや尿の清掃・消毒を行う」といったことのみ可能です。
それぞれ自分でできるコウモリ対策について具体的な方法をご紹介していきます。
①コウモリの侵入経路や住処を見つける
コウモリの侵入経路を見つける上で、壁の引っ掻き傷やコウモリのフンの有無が重要な手がかりになるでしょう。
出入り口付近はコウモリの往来も多いため、このような痕跡が残りやすくなります。
外壁に開いた穴やエアコンのパイプが通っている穴の隙間といった僅かな空間からもコウモリは侵入してくるでしょう。
まずはコウモリがどこから家の中に侵入してくるのかをくまなく調べることが重要です。
②コウモリを追い出す
コウモリを追い出す手段として、ハッカの匂いのスプレーやジェルタイプの忌避剤を使うことが多いです。
ハッカの匂いのスプレーをコウモリのいそうなところに吹きつけて追い出します。
天然成分でできているため、一時的にコウモリを追い出す効果のみで殺傷能力はありません。
ジェルタイプの忌避剤もコウモリが嫌いな臭いを集めて固めたものです。
トレーにジェルタイプの忌避剤を入れてフックにかけ、等間隔にロープで吊るしたり壁に直接ジェルを塗りつけたりして使います。
スプレータイプと比べてジェルタイプの忌避剤は1ヶ月間効果が持続します。
コウモリ用のスプレーやジェルタイプの忌避剤についてはこれらの記事で詳しく解説しているので、オススメ商品や使用の注意点などを知りたい方はぜひご覧ください。
③金網やネットで侵入経路を塞ぐ
コウモリの侵入口と思われる箇所に金網やネットを取り付けて塞ぐことで、再侵入を防ぎます。
1cm〜2cmの隙間でもコウモリは侵入可能ですので、ホームセンターで金網を買うときには目の細かいものを選んでください。
金網だけでなく、忌避剤を設置したり防鳥ネットを重ねて取り付けたりすることも有効です。
侵入経路別にコウモリの侵入を防ぐ対策はこちらの記事で解説しているので、より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
④フンや尿の清掃・消毒を行う
コウモリを追い出したのちにフンや尿の清掃をすることも忘れないでください。
フンや尿にはダニやノミがわいてくるだけでなく、病原菌も付着しています。
完全防備の上で清掃した後で、完璧な消毒も必ずしなければなりません。
コウモリの糞を安全に掃除・消毒する方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、より深く知りたい方はぜひご覧ください。
コウモリ被害を完全に対策したい場合は、プロの駆除業者に依頼しよう
以上のような方法で自分でも対策することはできますが、高所での作業が必要な場合もあります。
清掃作業や消毒作業には感染症のリスクもあるでしょう。
さらに素人の対策では完璧にコウモリの侵入を防ぐことは難しいものです。
清掃・消毒に不備があった場合は、被害がより深刻化する恐れもあります。
フンや尿による損傷がひどく、専門的な天井の補修が必要な場合もあるでしょう。
天井に点検口がない場合の取り付け作業を素人がするのは、かなり困難です。
このように作業の時間や手間、リスクを考えた場合、害獣駆除業者に依頼する方がより確実に安心してコウモリ対策を施すことができるでしょう。
コウモリ被害にお困りの方は、一度プロの害獣駆除業者にご相談してみてはいかがでしょうか?
多くの業者は無料で現地調査をして見積もりを出してくれるので、その場で詳しい相談にも乗ってくれますよ。
口コミや評判のいいおすすめのコウモリ駆除業者はこちらの記事でランキング形式で紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。