「ハクビシンが家に住み着いているんだけど、病気に感染しないかな?」
「ハクビシンの糞尿が屋根裏にあるんだけど、菌やウイルスを持ってないかな…」
はじめまして。害獣駆除博士です。
ハクビシンは可愛い見た目をしていますが、たくさんのウイルスや菌を抱えている害獣なのです。
私も家にハクビシンが出たのですが、病気に感染しないか怖くて…
ハクビシンは人間やペットに襲いかかってくる可能性もあるので、心配になりますよね。
でも安心してください。
今回は、ハクビシンによって感染する病気と、病気を防ぐ対策方法を分かりやすく解説します。
命の危険がある病気に感染する可能性もあるので、ぜひ最後まで読んで正しい対策をしてくださいね。
ハクビシンの糞尿の菌やウイルスによる病気や感染症
ハクビシンは和名は白鼻心(又は白鼻芯)と書くように額から鼻にかけて白い筋模様があり、見た目はとても可愛らしい動物です。
しかし、その生態を知ると可愛いとは言ってられません。
彼らは民家の屋根裏に住みつき、糞尿の被害をまき散らすのです。
ハクビシンは、タヌキのように“ため糞”という習性があります。
その名の通り同じ場所で“うんこ”をするのです。
その大きさは小型犬サイズ。しかも、同じ場所で回数を重ねていきオシッコさえします。
ハクビシンは単独で行動することもありますが、母と子中心の家族で住んでいます。ということは最低3匹くらいは一緒にいて、糞を山のようにしていく訳です。
考えただけでぞっとしますが、それだけではありません。それは、天井板や梁(はり)などにも被害を及ぼします。
さらに、その糞尿から発生した菌やウイルスは病気や感染症を引き起こしていきます。
そのコワい感染症の発生源は、主に屋根裏。(都心ではハクビシンのベランダでの糞尿被害も多く報告されています。)
感染症を引き起こすウイルスや原虫に感染したハクビシンの糞尿に触れることで感染する病気は、熱性疾患のレプトスピラ症、急性胃腸炎を引き起こすサルモネラ症があります。
さらに妊婦さんが感染すると重篤化するトキソプラズマ症やE型肝炎もあります。
レプトスピラ症は高熱や黄疸、腎障害を伴いますから体に大きなダメージを与える感染症。
これらの病気は触ることからだけではなく目や口から入ることによっても感染し、免疫力が低下している方にとっては命にもかかわる恐ろしいものなのです。
それぞれの感染症は潜伏期間も異なり自覚症状さえない場合があるので、小さなお子様や高齢者の方々にとっては何としてでもハクビシンに出て行ってもらわなければいけませんね。
ハクビシンの糞尿に関しての詳しい特徴や対策法はこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【ハクビシンのフン対策】糞の特徴を知って安全に処理する方法を解説!」
ハクビシンが媒介するノミやダニによる病気や感染症
ある朝、突然手足の痒みに襲われます。気が付くと赤いボツボツが…。
その日の昼過ぎ、寝転んで幼い我が子と遊んでいます。その時、目の前にぴょんぴょん跳ねる小さい影が…。
これらは、ハクビシンの副産物御一行様、ノミとダニです。
ノミは目につきにくく刺されてから気づくほどです。
ダニは全身を刺しますが、ノミはジャンプ力の限界があるので、ひざ下までの下肢を吸血します。
そしてその痒みは一週間程続くのが特徴です。
ダニによる被害で気になるものはこれ。
- 喘息やアトピー性皮膚炎
- マダニの唾液によるアレルギー皮膚炎
- 致死率のあるウイルス性疾患SFTSの危険
アレルゲンとなるのはダニそのものというより、ダニの死骸や糞です。
これが気管に入ると気道が腫れ狭くなり呼吸が苦しくなる喘息を発症。
皮膚からアレルゲンが吸収されるとアトピー性皮膚炎になり苦しむことに。
ハウスダストに気をつけていても屋根裏からの侵入者には気づきにくいですし、対処が難しいところですよね。
もう一つのアレルゲンはその唾液です。噛まれたときに出る唾液によってアレルギー反応を起こし、強い痒みに悩まされます。
最も注意したいのがSFTS。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はダニが媒介するウイルス性の感染症です。
潜伏期間は6日から2週間で症状は発熱や消化器系の症状、出血があり、致死率は20%を超えると言われています。(国立感染症研究所の資料によると6.3~30%)
SFTSに感染した場合の薬剤が未だ開発されていないため、対処療法しかないというのも不安なところです。
人だけでなく犬や猫などにも感染する疥癬症(かいせんしょう)という病気
ネットで検索してみるとハクビシンの愛らしい姿を見ることが出来ます。
鼻筋に白いライン、イタチ似の体型で長めの体毛、長いしっぽ。
けれど、ハクビシンは人や家畜、ペットが共通してかかる病気を媒介する動物でもあり、自身もその病気に侵されることで知られています。
その病気は、「疥癬症(かいせんしょう)」。
疥癬症はハクビシンを毛のない動物にしてしまいます。
ネットで“ハクビシン 病気”と検索をかけてみると、毛が抜け落ちてなくなり、皮膚が白っぽくゾウの皮膚のようになってしまった可哀そうな状態の画像が出てきます。
(気持ちのいいものではないので閲覧注意です!)
疥癬症の原因は0.5mmほどのヒゼンダニ(疥癬虫)。
疥癬症はこのヒゼンダニが寄生することによって発症する皮膚病なのです。
よく知られているのはタヌキの疥癬症ですが、キツネやイノシシなどの野生動物も例外ではありません。
これらの野生動物と同様にハクビシンも山でヒゼンダニに寄生されると、哀れな姿になってしまうのです。
ご自宅でワンちゃんや猫ちゃんを飼っていらっしゃいますか?
気を付けてください!
このヒゼンダニによる皮膚病は犬や猫にも感染します。
大切なペットの健康を守るためにもハクビシンを見かけたら家屋への侵入を許してはいけないのです。
「ハクビシンに触らなければ大丈夫じゃない?」なんて考えるのは間違い。
一説によると、動物に寄生するヒゼンダニと人間に寄生するヒゼンダニの種類は違うと言われています。
前者のヒゼンダニはヒトからヒトへの感染リスクは高くありませんが、ハクビシンが山から運んできたヒゼンダニはヒトに感染し、その皮膚疾患のリスクは高いというのがその説。
つまり、自分に寄生したヒゼンダニは他の人に移りにくいけど、自分がハクビシンから媒介されたヒゼンダニに寄生されると厄介だということ。
ヒゼンダニが寄生するのは、太ももの内側や胸、お腹など。疥癬症で調べてみると指などのケースも見られます。
そしてこの疥癬症には二つの種類『通常疥癬』と『角化型疥癬(ノルウェー疥癬)』があり、それぞれ特徴が異なるのです。
さて、どのような違いがあるのでしょうか。
通常疥癬
通常疥癬は角化型疥癬に比べ軽症です。
寄生しているダニの数が少なく、数十匹と言われています。
とはいえ、痒みが強いのが特徴です。
体のあちこちに湿疹ができ、かきむしってしまうほど。
ヒゼンダニが原因だと知らずに、かゆみ止めとしてステロイド軟膏を使ってしまうと症状が良くなるどころか悪化してしまうので注意が必要です。
角化型疥癬・ノルウェー疥癬
その昔、ノルウェーの学者さんがこの皮膚病を報告したことから角化型疥癬はノルウェー疥癬とも呼ばれています。
通常疥癬に比べ角化型疥癬は寄生しているヒゼンダニの数が100万~200万。
ものすごい数ですね。
痒みがないため、角化型疥癬だという診断が遅れ、症状が悪化する場合もあるようです。
重症化すると耳や爪などの全身にはカキの殻のような皮膚の層ができます。
そして、剥がれ落ちた皮膚に寄生していたヒゼンダニは宿主を替えることになり、それが衣類や寝具に付着すると…。
結果は想像に難くありません。
痒みはひどくないものの、皮膚症状は重いので、他にまき散らしてしまうリスクが高くなるんですね。
ハクビシンと新型肺炎「SARS」の関係性
2003年に世界的規模で集団感染を起こし、多くの人を震撼させた重症急性呼吸器症候群『SARS』。
その時にSARSウイルスの自然宿主がハクビシンだという疑惑があったことを記憶している方もいらっしゃるかもしれません。
SARSウイルスとはコロナウイルス。
2019年12月頃から流行り、世界中を震撼させているこれまでにない疫病、COVID-19でも知られている新型コロナウイルスとよく似たウイルスです。
「えっ!ハクビシンが呼吸器の病気を媒介するコロナウイルスを持ってるの!?」って驚いている方はご安心ください。
SARSウイルスとハクビシンが持っているウイルスの遺伝子は違うものです。
SARSウイルスの実際の感染源はチクガシラコウモリのものだと言われています。ハクビシンは、汚名を着せられていたんですね。
とは言っても、 SARSやCOVID-19 のようなウイルスを保有していても、問題なく元気に走り回れるハクビシンが、自分の頭の上で音を立てバイ菌やウイルスをまき散らしながら住みついていることを考えると、このままでよいわけがありませんよね。
では、ハクビシンによる怖い病気を防ぐために、どんな方法があるのでしょうか。
ハクビシンによる病気を防ぐ方法
①嫌いな臭いを使った忌避剤で追い出す
住みついているハクビシンを追い出すためにはどんな方法がありますか。
それは、ハクビシンが嫌いな臭いを使って追い出すことです。
敵を倒すには敵について知ることがカギ。ハクビシンの特徴は以下の通り。
- 嗅覚が優れている
- 学習能力が優れている
- 嫌いな臭いがある
嗅覚の役割は大きく分けて二つ。
食物を見つけることと危険や異常事態を察知することです。
捕獲して罠を仕掛ける時は前者を活用しますが、今回は後者を使います。
危険を感じさせるという方法です。
ハクビシンにとっての危険な臭いは何でしょうか。
それは、天敵の動物のオシッコの臭いと山火事などの火と煙の臭いです。
ある国では鹿よけにライオンの糞を使って成功した事例があります。でも民家ではこの方法は当然無理。
では煙の臭いで思いつくものはありませんか?
そうです、木酢液(もくさくえき)ですね。
炭を作る際に出る木酢液は山火事の煙を連想させるため、ハクビシンには忌避剤として効果があると言われています。
木酢液はホームセンターで市販されています。これに似た駆除薬を使うこともできますよね。
学習能力が高いハクビシンは一度イヤな経験をしたところには戻らないとも言われています。
彼らの特徴を踏まえた上で忌避剤を活用するのはいかがでしょうか。
ハクビシン用のオススメ忌避剤はこちらの記事で紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「ハクビシンのおすすめ忌避剤を厳選!選び方や使用の注意点も全て解説!」
②住宅への侵入経路を塞ぐ
ハクビシンを追い出すことが出来たとしても、また戻ってこられては困りますよね。
では再び戻ってきて、または別のハクビシンが巣を作らないようにするためにどんな対策を取るべきでしょうか。
それは、住宅への侵入経路を塞ぐということ。
そのためには建物の建築構造を把握し、侵入経路となる穴を全て塞がなければいけません。
ハクビシンは8cmから10cmほどの穴があれば入ることが出来ます。
子どもであればもっと小さな穴でも入ってしまいますね。
しかし、塞ぐためにはいくつか押さえなければいけないポイントがあります。
- ハクビシンが中に残っていないか
- 建物の構造上塞いでいい穴かどうか
- ハクビシンの侵入経路か
侵入経路となる穴を塞いだとしても、万が一ハクビシンが残っていて中で餓死したとしたら、後から異臭などの問題が出てくるので厄介なことになります。
③糞尿の掃除、殺菌、消毒を行う
ハクビシンを屋根裏から追放できたとしてもやるべきことはまだ残っていますよ。
それは、“ため糞”の後片付けです。
そして覚えておきたいのは、ハクビシンの糞尿はバイ菌の山だということ。
このバイ菌たちを安全に処理するためにどうしたら良いのでしょうか。
そうです、完全防備で立ち向かうこと!これが大事。
感染症を引き起こすウイルスや菌は目や口、手などで触れることによって感染します。
ですから、感染を避けるためにはゴーグル、マスク、ゴム手袋、頭や体を覆うものを身に着けるしかありません。
そしてそれら汚れたものは作業終了後、すべて安全に処分しなければいけません。
掃除が終わったら糞尿や巣、彼らが行動していた範囲の殺菌と消毒が必要です。
特に“ため糞”があった場所は消臭もしておかなければいけません。大変な作業ですよね。
消毒の薬剤などについてはプロに相談してみるのもおすすめです。
高齢者や小さなお子様に無害な消毒の仕方をアドバイスしてくれますよ。
ハクビシンのフン対策についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【ハクビシンのフン対策】糞の特徴を知って安全に処理する方法を解説!」
安全に対策したい場合は害獣駆除業者に依頼する
ハクビシンは夜行性で臆病な動物です。日中は屋根裏の隅でじっとしています。
人間が活動するのはハクビシンの真逆で日中ですね。ハクビシンを追い出したり、糞尿の掃除をするのも日中。
想像してみてください、逃げ遅れた臆病なハクビシンが屋根裏の片隅でびくびくしています。
息をひそめて見つからないように隠れています。それでもいよいよ逃げられないと分かった時、どうすると思いますか?
きっと追いつめられた猫のように威嚇し、飛びかかってくることでしょう。
たとえ、そうはせずに逃げ道を探して逃げたとしてもバイ菌が混じった埃をまきあげながら走り回るに違いありません。それも危険!
場所は狭い屋根裏です。ハクビシンが有利に決まっています。
「それじゃあ、打つ手がないじゃない…」という声が聞こえてきますが大丈夫、最後の一手があります!
それは、その道のプロに任せること。害獣駆除業者に任せるメリットは以下の通り。
- 駆除、消毒、再発防止、建物の修繕という一連の作業をしてくれる
- 必要な知識、道具、薬剤などを持っている
- 任せるので安全&安心、衛生的。
- 時短できる
自ら危険に立ち向かうのもサバイバル感があっていいかもしれませんが、家族の安全や糞尿のバイ菌からの感染リスクも視野に入れると害獣駆除のプロにお願いした方が得策かもしれません。
害獣駆除の専門家であれば、屋根裏に住みついているハクビシンを追い出し、再び入ってこないように侵入経路を塞ぎ、彼らの残していった糞尿の処理までしてくれ、さらに糞尿の害を被った家屋の修繕もしてくれます。
消毒のために使う人体に安全な特殊な薬剤も持っているので全面的にお任せできますね。
ハクビシンが住みつくのは狭い場所ですからそんな場所での作業を的確に全部処理してくれるプロがいてくれるのは安心です。
ハクビシンの習性や病気についても熟知している専門家に任せるなら、心配せずに家族みんながクリーンな生活に戻れます。
忙しい毎日を送っている方にとっても煩わされずに問題を解決できる方法ですよね。
ここまでお話ししたように、ハクビシンはペットと違って人間には脅威となる病原菌を持つ野生動物です。
もしご自宅の屋根裏に巣を作って居ついてしまってるなら、安心&安全な住居空間を取り戻すために一刻も早く駆除と消毒、再発防止のための処置が必要です。
ご自身でそうされる場合はリスクを考えて万全の態勢で対処してください。
それでも手に負えない時には“頼りになる専門家”もいる、ということも覚えておいてくださいね。
おすすめのハクビシン駆除業者はこちらの記事で詳しく解説しているので、信頼できる業者を知りたい方はぜひご覧ください。