
「ハクビシンのフンってどうやって処理したらいいの…」
「ハクビシンの糞尿被害が続いているのだが、対策はないのかな…」

はじめまして。害獣駆除博士です。
ハクビシンが家に住み着くと、屋根裏やベランダなどいたるところでフンや尿をまき散らしてしまいます。

私の家もハクビシンの糞尿被害に悩まされていてるのですが、どうやって処理したらいいかわからなくて…

ハクビシンのフンにはたくさんの菌やウイルスが潜んでいるので、自分で処理するのは難しいですよね。
でも安心してください!
今回はハクビシンの糞尿を自分で処理する方法や再発防止の対策法を分かりやすくお伝えします!
処理や対策の注意点も合わせてお伝えするので、ぜひ最後までお読みください。
ハクビシンの糞の特徴
見た目の画像や写真、大きさ
(出典:DAYLIGHT RAMBLER)
ハクビシンの糞の特徴として、大きさが約5cm~15cmで丸みのある細長いものになります。
その他の特徴として色は黒や茶色を呈していますが、雑食性のため食べるものによって色が変わることも。
果物や野菜、昆虫、鳥、鳥の卵等を食べ、糞の中に果物や野菜の種が含まれていることが多いようです。
溜め糞になっていることが多い
(出典:ホームスター)
ハクビシンは決まった場所に糞や尿をする習性があり、糞は同じ場所に溜まっていき、山盛りになってしまいます。
この習性を「ためふん」と言って、時間の経過や量が多くなると糞の山にうじ虫がわいてしまうのです。
また、うじ虫以外にノミやダニの原因にもなり、屋根裏を伝って家屋全体にノミやダニが広がってしまった事例も確認されています。
臭い
ハクビシンは果物を中心に食べることから、糞自体はあまり臭いを発しないことがほとんどです。
ただし例外もあり、時間の経過や量によって左右されることがあります。
そして悪臭の1番の原因となるのが、糞と同じ場所にする尿です。
尿はアンモニアを含んでおり、それが糞と混ざることでかなりの悪臭を発生させてしまうのです。
ハクビシンと他の動物とのフンの違い
ハクビシンの糞とタヌキの糞との違い
(出典:痕跡の見分け方|札幌市)
ハクビシンの糞が約5cm~15cmなのに対して、タヌキの糞の大きさは約2㎝~3cmになり小さいのが特徴です。
色は黒みを帯びており、丸い形状をしています。
見た目にも違いが分かりやすくなっていますが、分かりやすいところで言いますと強烈な臭いの有無です。
ハクビシンの糞に臭いはあまりありませんが、タヌキの糞には強烈な臭いがあります。

タヌキのフンの特徴や詳しい対策方法はこちらの記事で解説しているので、タヌキのフン被害にあっている方はぜひご覧ください。
ハクビシンのフンとイタチのフンとの違い
(出典:一コマ劇場 みさき自然公園)
イタチに関しましては肉食であることから、糞から強烈な臭いが発生しています。
細長く水分が多いことが特徴として挙げられ、オスとメスで体の大きさに差があるため糞の大きさも違ってきます。
また糞には毛が含まれていることもあるようです。

イタチのフンの特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、イタチの糞害で苦しんでいる方はぜひご覧ください。
ハクビシンの糞とアライグマの糞との違い
(出典:ハンター日記)
アライグマはハクビシンと似たような特徴があり、糞の大きさは約5cm~18cmです。
雑食であり果物・野菜・小動物・鳥・魚貝・昆虫等を食べる中で、特に動物や魚貝、昆虫を好んで食べます。
糞は食べるものによって形状を変え、動物の骨・昆虫の身体の一部を含んでいることがあります。
そして他の動物と同様に糞から強烈な臭いを発することから、ハクビシンの糞と見分けをつけることは容易になります。
ハクビシンの糞尿被害や感染例
床が腐って天井張替えをしなければいけなくなった
結論から申しますと、ハクビシンの糞を放置すると「ある日いきなり天井が抜ける」かもしれません。
そんなこと、絶対に避けたいですよね。
前述した通り、ハクビシンは同じ箇所に糞尿をする溜め糞の習性があります。
そのため、天井裏でずっと溜め糞をした場合に、尿がしみ込み隙間から雨漏りのように部屋に落ちてくることもあります。

最悪の場合、溜め糞により腐った天井が落ちてくる事例もあります。
ハクビシンの被害事例についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
>>「【ハクビシンの被害事例まとめ】特徴を画像や動画付きで解説」
ウイルスや菌による感染病、健康被害
人への危害としてハクビシンの糞に含まれる、微生物による感染症が挙げられます。
ハクビシンの糞にはサルモネラ菌やエルシニア菌等が含まれていて、サルモネラ症・レプトスピラ症・E型肝炎等の感染リスクが考えられます。

サルモネラ症は日本でも毎年多くの感染事例が報告されており、発熱や急性胃腸炎などの症状が5日以上続くこともあります。
ハクビシンによる詳しい病気被害はこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
>>「【ハクビシンによる病気】ウイルスや菌による感染症と対策を解説!」
ハクビシンがよくフンをする場所
屋根裏
ハクビシンが糞をすることで有名な場所が、屋根裏です。
家屋の壁であれば、問題なく登っていきます。
また屋根裏にはハクビシンほどの動物であれば侵入できる隙間が空いていることがありますので、そこから入り屋根裏内で糞をすることは容易です。

ハクビシンの被害として、夜行性であることから屋根裏を夜中に駆け回りその騒音に悩まされることもあるのです。
屋根裏に住み着いているハクビシンに絞った対策法はこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【屋根裏のハクビシン対策】安全に正しく追い出す方法を解説!」
ベランダ
ベランダにて家庭菜園をされている方は要注意です。
ハクビシンは壁を容易に登ることが出来ますので、ベランダで果物や野菜を栽培している場合に侵入し糞をする可能性が高くなります。
ハクビシンを見かけたら、ベランダでの栽培は控えた方が良いかもしれません。
庭の芝生や畑
ベランダ同様、庭や畑を所有している場合には注意が必要です。
果物や野菜を求めてハクビシンがやってきて、巣を作ったり糞をし始めたりする可能性があります。
農林水産省の調査では、2016年度の農作物被害額は全国で約4億2千万円を超えています。
(参考:野生鳥獣による農作物被害状況|農林水産省)

ハクビシンによる被害は報告されているだけでも、複数年に渡って4億円以上の被害が続いており深刻な問題になっています。
ハクビシンの糞尿を処理・消毒する方法
マスクやゴーグルをつけて糞尿を吸い込まないように注意、服装は捨てても良い服で
前述の通りハクビシンの糞尿には、様々な微生物が含まれており大変危険です。
サルモネラ菌などの感染症にならないように、正しい対策をした上で対処しましょう。
まずは服装です。
糞尿で汚れることにより菌が付着する可能性がありますので、捨てても問題のない服を着用しましょう。
また、菌は粘膜から体内に侵入してきます。
目や口、鼻からの侵入を防ぐためにも、マスクやゴーグルを着用することで感染を予防しましょう。
加えて、素手で糞に触るのは大変危険ですのでやめましょう。
手荒れしている箇所や傷から菌が入ったり、菌が付着している手で目や口、鼻に触れると感染する可能性があります。
ゴム手袋を着用して糞尿を処理するようにしましょう。
ホウキでフンを集める
正しい服装や防備が出来たら、糞を処理する道具についても注意が必要です。
作業性を考えると掃除機が短時間で簡単に掃除できますが、感染症のリスクが考えられるため使用しない方が良いでしょう。
掃除機で糞の処理をすると、ヘッドから掃除機内部全てに糞が付着し菌に汚染されます。
糞を処理した後に、掃除機の内部を全て掃除・殺菌しなければいけなくなりますので手間が増えてしまいます。
また掃除機の排気によって掃除機の中や糞をしていた場所から菌を巻き上げて拡散させてしまい、感染のリスクを高めてしまうことになりかねません。

糞を処理する際にはホウキを使用し、菌を巻き上げないよう静かに掃除しましょう。
アルコールやエタノールで消毒・殺菌
ハクビシンの糞を処理した後は、必ず殺菌しなければいけません。
見た目には綺麗になっても菌が付着しており、隙間風やハクビシンが動き回ることにより空気中に菌が拡散してしまう可能性があるからです。
一般的には手指などの殺菌用にアルコールやエタノールが使用されますが、ハクビシンの糞に含まれている菌を殺菌するには効果が期待できないところがあります。
確実に殺菌する場合には「次亜塩素酸ナトリウム」を浸透させましょう。
「次亜塩素酸ナトリウム」は分解しやすい性質を持っており、空気に晒されると殺菌効果が薄れる可能性があります。
空気に触れないように、薬剤を使用した箇所にラップをする等の対策をすると確実に殺菌ができるでしょう。

ただし「次亜塩素酸ナトリウム」には漂白効果も含まれており、施工箇所を変色させてしまう可能性がありますのでご注意ください。
糞尿の処理に使った道具は処分する
糞の掃除が完了したら、そのままの着衣で殺菌までしてしまいましょう。
「次亜塩素酸ナトリウム」を該当箇所に撒いて、時間を置いてから雑巾やいらない布などで拭き取ります。
その際の注意点ですが、「次亜塩素酸ナトリウム」は吸入毒性の危険があり健康被害の可能性が考えられるため、スプレー等で霧状に噴霧することは止めましょう。
薬剤を静かに撒くか、雑巾などに含ませて拭きながら殺菌することをおすすめします。
また泡状で出てくるスプレーも販売されていますので、そちらを利用するのも良いかと思われます。

屋根裏を掃除する場合は換気しにくく「次亜塩素酸ナトリウム」の臭いが充満し気分が悪くなる恐れがあります。
充分に換気するか、無理な場合は薬剤施工したのちに臭いがなくなるまでその場から離れましょう。
作業で使用した着衣や道具は菌に汚染されていますので、空気中に菌が拡散しないようゴミ袋などで覆ってから廃棄しましょう。
ハクビシンの糞尿被害を再発させない対策方法
忌避剤を使って追い出す
まずはハクビシンが屋根裏へ入ってこないようにしましょう。
ハクビシンは仲間かどうかを確認するときに、肛門線からの分泌物を嗅ぎ分けて判断しています。
臭いに敏感なハクビシンの特徴を利用して、苦手な臭いを発する忌避剤を屋根裏や侵入路に施工することでハクビシンが近寄ってこなくなる効果が期待されます。
ハクビシン用のオススメ忌避剤や正しい使い方はこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「ハクビシンのおすすめ忌避剤を厳選!選び方や使用の注意点も全て解説!」
侵入経路になっている穴や隙間を金網で塞ぐ
もう一つ屋根裏へ侵入されないためには、物理的に入ってこられない対策をとることが有効です。
侵入できる場所があるならば、塞いでしまえば壁を登れたとしても入ってこられることはありません。
しかし家屋の性質から、完全に塞いでしまうと通気できなくなって屋根裏に湿気が溜まることにより、カビや腐食の可能性が発生します。
ハクビシンは頭が入る隙間なら侵入することができるため、金網などで塞いでしまいましょう。
敷地内への侵入防止対策としてフェンスを設置されているご家庭もありますが、ハクビシンは身体能力が優れており1メートル以上ジャンプできることから容易に超えて侵入されてしまうケースもあるようです。

実際に侵入することができない対策を見極めて、可能であればジャンプしても超えられない対策をとることをおすすめします。
好物の農作物や果物は取り残さない
ハクビシンの被害として、糞尿以外に農作物を食い荒らすことも事例として挙がっています。
ハクビシンはモモやイチゴ、柿、スイカなどの自宅でも栽培が容易な果物も大好物とされており、一般家庭の庭や畑にも侵入してくる可能性が高くなっています。
また野菜も食べることが知られており、トウモロコシやじゃがいも、サツマイモ、トマト等も好みます。
そのため、苦労して育てた農作物が食い荒らされてしまうことだってあるのです。
ハクビシンは夜行性であるため夜の間に農作物を食べた場所に巣を作り、そこに溜め糞をすることもあります。
一度ハクビシンに目をつけられると繰り返し農作物を荒らされ糞の被害に遭いますので、農作物は収穫し放置しないことをおすすめします。
生ゴミを外に置く場合はフタつきのゴミバケツに
ハクビシンが食べるものは、新鮮な農作物だけではなく生ゴミも例外ではありません。
衛生上、生ゴミを室内で管理することは難しく、一般的に屋外に置いておくことが多いかと思います。
ハクビシンは生ゴミも荒らすため、容易に生ゴミに触れられない対策が必須となります。
ビニールであれば歯や爪で破られるため、専用のゴミ箱を用意すると良いでしょう。
またハクビシンが壁を容易に登ることを考えると、ゴミ箱に蓋をしていないと侵入を許してしまうことになります。
可能であれば蓋がロック出来るものを採用し、物理的な侵入ができないものを選ぶと良いでしょう。
外で飼っているペットへの餌はすぐに片付ける
雑食性のハクビシンは、ペットの餌も食べてしまいます。
そのため、屋外でペットを飼われているご家庭は注意が必要です。
ハクビシンは夜行性のため、遅くても夕方には餌を下げてしまいましょう。
餌が食べられる箇所で糞尿をするため、庭が糞尿まみれになってしまう可能性があります。

ハクビシンの性格は凶暴で、大事なペットを怪我させてしまうこともあります。
ペットをハクビシンの危害から守るために、餌を放置することは止めましょう。
ペットボトルを捨てるときは洗ってから
ペットボトル飲料には多量の糖分や香料が使用されています。
ハクビシンにとってペットボトルの中に残った糖分は重要な栄養源であり、嗅覚も鋭いため香料に誘引される可能性があります。
ペットボトルは中の糖分や香料を確実に洗い落とし、ハクビシンを引き寄せないようにしてから廃棄することをおすすめします。
侵入のきっかけになる木の枝を切る
ハクビシンは身体能力に優れており、木の枝や電柱から電線を伝って家屋に移動することも苦ではありません。
侵入を防ぐために、家屋に隣接している木がある場合は枝を剪定し侵入路を断ちましょう。
また剪定には人間の存在を示すことにもつながり、ハクビシンが警戒して近寄ってこない効果も期待できます。

屋根裏への侵入以外に雨どいやその付近に糞をする可能性もあり、詰まりや汚染の原因になるため剪定は必須と考えた方が良いかもしれません。
その他の自分でできるハクビシン対策法については以下の記事で詳しく解説しています。
>>「【ハクビシンの駆除】自分でできるオススメの対策方法8つを解説!」
自分で糞尿の処理・対策ができない場合は、専門業者に相談しましょう
家屋や家族、ペットを守るためにハクビシンへの対策は必須であることを理解していただけたのではないかと思います。
しかし健康に関わる衛生面や高所で腐食の可能性がある屋根裏での作業は、素人には危険が生じてしまいます。
またハクビシン自体が凶暴な性格のため、屋根裏以外であっても処理中にご自身が怪我してしまうことも考えられます。
これまでお話しした対策をご自身で全てやり切るには、多大な労力と時間が必要です。
また対策に不備があれば、ハクビシンは容易に住みついて溜め糞をしてしまう可能性があります。
安全面や確実性を鑑みて、ハクビシンの対策はプロの専門業者に相談しましょう。

おすすめのハクビシン駆除業者はこちらの記事で詳しく解説しているので、信頼できる業者を知りたい方はぜひご覧ください。